「ラッキー」です。
ラッキーは「この鳩は本当に”運”がいい」と思った鳩です。
「ラッキー」は、「石田5万系」といって日本に昔からある広島の鳩の筋だそうです。(ちなみに・・「ラッキー」の子供が「ロクイチゴー」です。)
話しは「ラッキー」が”名無しの雛の頃”にさかのぼります。
鳩舎は・・だいたい・・・・自然が残る場所に建てられる場合が多いです。そして、当然その様な場所には【野生動物】も多数生息しています。「蛇」しかり、「狸」などもでます。
そんなある日のこと・・・鳩舎主の隙を見て、鳩舎に【蛇】が入り込んでしまったそうです。
当時、巣皿には2羽の雛が入っており、1羽が命を奪われてしまいました。
しかし、さすがの蛇も・・2羽一度に呑み込む事ができなかったのでしょう・・・しばらく休憩していたようです。
そこへ、鳩舎主が戻ってきて・・・現場を目撃し、蛇を取り押さえました。
・・危ういところでしたが、残りの一羽は命を奪われずにすんだそうです。
これが、この雛が「ラッキー」と呼ばれるようになったきっかけです。
(蛇は、捕まえて、鳩舎から遠く離れた場所に放したそうです。)
しかし、これだけではありません。
通常、雛を抱いている親鳩は、神経過敏になっています。そういう状態の時、このようなショッキングな事件が起こると・・・親鳩は、雛に餌を与えなくなってしまう事があります。
鳩舎主は、「親が餌をやらなくなったらどうしようか」と悩んだそうです。
ですが、「ラッキー」は・・更に幸運な事に!このショッキングな事件の後も親から餌をもらう事ができました。親鳩は、ラッキーを見捨てませんでした。
この親鳩は、老衰で天命を全うしましたが、なんと・・ラッキーが最期の雛だったそうです。もしかしたら、鳩自身、「最期の子供だ」と分かっていたのでしょうか?だから、強いストレスにも負けず、子育てを続けたのでしょうか?
いずれにせよ、ラッキーは自然淘汰に打ち勝ったわけです。